アイス売り場に目を奪われた。
ガリガリ君の姉か妹が、そこにいた。
ガリ子ちゃん。
というらしい。
クリームソーダ味だそうだ。
ガリガリ君をこよなく愛する僕は
動揺を隠せなかった。
ポケットで携帯が鳴った。
あわてて出ると、友人のスマ君だった。
雑学に関して知識が豊富な彼に
ガリ子ちゃんのことを聞いてみた。
「2〜3年前からあるだろ?」
当たり前のようにして話す彼が
電話越しだが輝いて見えた。
僕の驚きを察したのか
嬉しそうに彼は、
得意気に、どのアイスが最近おいしいのか、
対費用効果としては
どのアイスがベストなのか?
など、僕にとってみればあまり興味のないことを
楽しそうに話し始めた。
僕は、最近本で読んだフレーズを思い出した。
オリンピックの100m決勝を見ている場面でのこんな話だ。
「この人だって空を飛べるわけじゃない。
「飛べない世界の出来事」は、人間が100mを10秒で走ろうが
15秒で走ろうが、鳥から見れば関係ない。
大切なのは、人間の限られた能力の中で、
どれだけあがけるか
それによっては、9秒台で走る人間だっているんだ。
空は飛べなくても―――――
そうだろ?
ってことはだ、
たとえ俺が歩くことができなくても、
自分の世界に9秒台はある。
ということだよな?
―――空は飛べなくても。」
僕の心に残っているセリフだ。
彼のアイス談義は、僕から見れば
どのアイスもさして変わらない。
しかし、彼の中では11秒や8秒があるんだと思う。
自分の覚悟が本当に決まってしまえば、
何をしても、他人のことなど関係ないのだろう。
「笑いたきゃ笑え!」
これも、本の中の一言だ。
このセリフにスマ君が重なった。
自分自身の覚悟と歩く道を再認識するための
出来事だったような気がする。
ありがとう、スマ君。
僕は心の中でお礼を言い
「モナカだったらやっぱり・・・」
受話器からそう聞こえかけた電話を
おもむろに終了させた。
スマ君、いい勉強させてもらいました。
ありがとう。
僕も改めて、自分と向き合うよ!
学びは、いろんな場所にあるものだと、
再認識させられた、そんな夜でした。
・・・5分後スマ君からメールが届いた。
「モナカはやっぱりさァ・・・」
感謝

